Far Cry 5
リリース当初に購入していたものの、『PUBG』やら『Doom(mod)』やら『Red Dead Redemption 2』やら、それにミニチュアやらで忙しくて全く手をつけていなかったのだけど、この三連休で一気に触ってクリアした。
面白いし、最後まで遊ばせる強さはあるのだけど、なんとも奇妙な作りのゲームだった。
ざっくり感想
基本のゲームプレイ
- 今作の舞台はアメリカの片田舎。
- これまで東南アジアの孤島やアフリカの戦争地帯、ヒマラヤの山奥など、かなりエキゾチックなロケーションで非現実感を出してきた中、今作の"普通"なフィールド、というのは逆に新鮮に感じた。
- オープンワールドのフィールドデザインは流石延々とオープンワールドを作り続けてきたUBI、クオリティは高い。
- 景色はとても美しい。
- 動物はそこそこいる。ただ生態系の再現性はあまり高くない。
- 残念ながらハードドラッグさながらの『RDR2』を体験してしまった身体にとって、生半可な刺激では満足できなくなってしまった…。
- ゲームの構造、サイクル、遊ばせ方は従来どおり。なので、途中で飽きがち。
- ここは悪い意味でのUBI。オープンワールドを過信しすぎているというか、自分たちのゲームに愛着を持ちすぎているというか。
- 最初から最後までやることに広がりや発展が殆どなく、例えるなら「味自体はいくら噛んでも出てくるが、味そのものの変化が一切ないスルメ」というか。とにかくずっとやることが同じ。
- だから中盤にさしかかる時点でもう惰性でやってる感じになる。早い。
- といいつつ、個人的に作業感は嫌いではないので、基本的にはやれちゃう系ではある。
オープンワールドとストーリーテリング
- 一般的なオープンワールドタイトルのように、メインクエストとサイドクエストがあり、どちらをどのタイミングで攻めてもいい、という構造であるかのように見せて、実はこのゲームはそうではない。
- サイドクエストの到達 or プレイ時間をトリガーにして、プレイヤーがどこにいても、強制的にメインクエストをやらされる。
- メインクエストを強制的に挿入するシステムを実装したのはストーリーテリングの重要性を最大化したいからだと思うのだが…悪手では…。
- 一応その理由付けとして、主人公が特定の曲を聴くと催眠状態になってしまう、という設定があるのだが、その兆候が出ると、「あー出たよ」となる。
- その曲はThe Plattersの『Only You』。
- 一応その理由付けとして、主人公が特定の曲を聴くと催眠状態になってしまう、という設定があるのだが、その兆候が出ると、「あー出たよ」となる。
設定
- カルト宗教としてのリアリティは薄い。
- 恐らく元ネタは「人民寺院」あたりをベースに、ここ数年の終末思想者を混ぜ込んだ感じ。
- フィールド上のNPCの生活感も弱い。子供・老人が居ない、生活している人が居ない。
- NPCに子どもがいないのは、殺せない・殺せてはいけないから。
- このゲームではプレッパー(終末に備えて備蓄している人間)が大きな要素の一つなのだが、彼らには実際に会うことができない。
- 彼らが居ないのは、既に死んだか逃亡したか、で結論付けられるが、苦しい。
- プレッパーについてはこちらの記事参照。
- プレッパーが多い、世界の終わり(Doomsday)が近づいている、という世界観へのリアリティの薄さは日本人だからかもしれない。
アーケードモード
- このゲームにはステルス&ドンパチに特化した、拠点攻略専用のアーケードモードがある。
このアーケードモードは結構面白い。テンポも悪く無いし、ステルスシューターの面白さがストレートに出る。
このステルスシューターの面白さは、大傑作の初代『Far Cry』の良さが凝縮されていてとても良い。
- ユーザー作成マップをDLしてプレイができるので、実質無限に遊べる。
- 日本のゲーマーに説明するなら、『天誅 忍凱旋』のあのエディット面を遊ぶ楽しさがかなり近い。
- このモード用のレベルエディターが付属。触ってみたが開発ツールそのまんまリリース、という感じでものすごく男らしいパッケージ。
- 腰を据えないとまともなレベルが作れない。
その他
- 釣りは面白いけど、魚の生息地が完全に固定されているのが不満。
- どこに行けば何が釣れる、とういうのが事前に分かってしまう。
- 釣りの醍醐味に、何が釣れるかわからない、ヒキの強さで期待の大小があり、釣り上げたときに何がつれたか、の答えが判る面白さがあるのに、それが無くなってしまっているのが残念。
- 個人的に、ミニゲームでも「釣りの仕様」をちゃんと書けるかどうか、で、その開発者の才能の有無が分かると常々言ってるのだけど、その点このゲームの担当者はあまり才能が無い、と言い切れる。
- 『時のオカリナ』の釣り担当の開発の人って誰だったっけ…。あれは明らかに「デキる人」の仕事だ。
- 出版社/メーカー: ユービーアイソフト株式会社
- 発売日: 2018/03/29
- メディア: Video Game
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